1962年生まれ、かな入力千代子のお天気日記

あの、自分が還暦を過ぎた事が自覚できないのです。まだ知りたい事、知らない事が沢山ある気がします。

新入社員の頃のしくじり、今なら話せるか

千代子は、22歳から働き始め、ちょっと小休止。再稼働の準備中です。

ぽっかりと空いた時間に、昔のしくじりを思い出したりします。新卒で入社した会社は、まず入社試験で圧倒されました。長文の英文が書かれた後に、その長文に対する質問も、英文。千代子は、就職に向けて三年の頃から、新聞の社会欄、経済欄は、丁寧に読む事は、意識していました。しかし、当時OG訪問などもなかった時代。まさか、こんな試験が行われるなど、想定外でした。しかし、何とか内定を頂きました。内定を頂いても、千代子の気持ちは、入社前から不安でした。何か、自分には不相応な場所に採用された気持ちでした。

入社式が終わり、所属部署に配属になりました。千代子は、自分以外は皆、優秀に見えてしまい、毎日緊張し続けました。丁寧に教えて下さる先輩もいらしたのに、千代子は、素直に心が開けない状態でした。

昔は、そんな会社も多かったと思いますが、千代子の勤務した会社も体育会系の雰囲気でした。上司は、大声で叱責し、部下は常に元気のいい声で返事をしていました。

千代子も、そんな雰囲気に飲みこまれない様に、内心の怯えを隠し、元気に電話を取り続けました。

それでも、新人は新人です。会社の中での経験値はゼロに近い人間です。わからない事、知らない事は、もっと身近にいらした女性の先輩に、謙虚に素直に尋ねればよかったのです。

それが出来なかった千代子は、空回りをしていました。

緊張と不安で、玄関で靴を履きながら泣き出していたのに、会社では元気にふるまい続けました。

次第に眠れない日が続きました。千代子は、体調を崩しその会社を退職しました。親切な先輩もいらしたのに、何の貢献も出来ないまま、辞めてしまった事を、今でも思い出してしまいます。

千代子は、あの頃の自分に言ってやりたい。

 

足がふらふらする程の背伸びをするのは、止めなさい。かかとを地面につけて、その目の高さで見えるものが、あなたの見るべき景色です。あなたをとりまくまわりの人ではありません。全体の一部としてのあなたです。その一部として、自分はどこまで求められているのか、よく考えなさい。自分の客観性に自信がないのなら、まわりの先輩に謙虚な態度でたずねなさい。

 

しくじりの経験を通してしか、千代子は学べない人間でした。