洋服や、小説と同じ様に、音楽にも、その時の気持ちにしっくりと来るものが、ある気がします。
千代子は、十代の頃は、クイーン、スティービーワンダーが好きでした。
二十から三十代にかけては、あまり音楽を聴く事もなく、過ごしていました。
三十代後半になると、何か穏やかな気持ちになるものを好んで聞く様になり、小野リサを聴きながら、お茶を飲むのが楽しくなりました。
現在は、チェロの音色をが聴いている時、心地よく感じます。
このヨーヨー・マの演奏するサンサーンスの白鳥を聴いた時、何か自分の中の黒い部分が溶けていくかの様な感覚を憶えました。自分の心が、さらさらした透明な水で洗われていく、そんな気持ちに近いのでしょうか。
初めて聴いた時は、YouTubeでした。絶対にCDが欲しいと思い、Amazonで注文しました。
毎日、このCDを聴ける訳ではありません。
でもこの、白鳥を聴いている時、音を聴いているはずなのに、静寂を感じるのです。
なんでしょう。この感じは。安易に言葉に置き換えられない感じです。