クイーンが大好きだった10代の頃、私の一番好きな曲は、このSomebody to love でした。
誰か、誰か、私へ愛する人をという心の叫びは、今でも聴いていて、切なくなります。深夜、ひとりで家に帰り、からだの痛みと、人からの嘲りという心の痛みを抱えている歌の主人公の姿と、ゴスペルという神へ向かい歌う曲調が、聴く私の心を鷲づかみにしたのでした。
この曲の、誰か愛する人をという切実な祈りは、生きる事の孤独に耐えた経験のある人なら、誰しも共感できるのではないかと思うのです。
10代の頃、自分の将来や周囲との調和等、不安を感じていた私にとって、この曲は、自分の気持ちの代弁の様に感じてしまったのです。
育った背景も違う、文化も違う人の作る曲が、私自身も持つ孤独や弱さを描ききってしまう。私は、優れた作品を作り上げる芸術家を尊敬しています。