千代子が初めて海外に旅行した、旅行先はシンガポールでした。
飛行機の時間は、8時間でしたが、時差が一時間の旅行先は、時差ぼけもしない、快適なものでした。
午前中に成田空港に到着、飛行機に搭乗し8時間後には、現地に到着。到着したのは、夕方でした。
ホテルの外に出て、友人と祝典の花火を眺めていました。
そこでは、宿泊していたホテルの従業員の方も花火を眺めていました。
つたない英語で挨拶しました。幼い子供を連れていました。
私は、お子さんですかと尋ねました。従業員は、違います。彼は、このホテルで働いていますと答えました。
私は、その少年にどこから来たのか聞きました。彼は、スリランカと答えました。
私は、何歳かと恐る恐る尋ねました。彼は、八歳だと答えました。
私は、それを聞き、何も言えなくなりました。もし、私がもっと英語が話せる人間だったとしても、何も言えなかったと思います。
今でも私は、彼に、その後、何を話すのが正解なのか分かりません。
花火をじっと眺める少年の横顔は、花火が反映して輝いていました。