今週のお題「わたしのコレクション」


サガン、高校生の頃、よく読みました。
19歳で、「悲しみよこんにちは」を書ける作家に憧れを抱いていました。
サガンが多く描いた、フランスの富裕層の人の恋愛や生活は、郊外の県立高校に通う私には、まさに異世界でした。
何故、共感できたのか、何故、あんなに夢中に読んだのか。時々、考える時があります。
19歳の女性が、既に多くのものを経験から、あるいは直観から見つくし、生きる事への倦怠感を抱いている事に、驚きを感じていたのかもしれません
当時は「悲しみよこんにちは」の主人公のセシルの、完成された四十代の女性に対する反感に、自分を重ねていました。
けれど今は、「ブラームスはお好き」の四十代の女性の生活の実感に、自分に近いもの
を感じます。
この「ブラームスはお好き」でさえ、サガンは23歳の時に描けてしまう事が、彼女の作家としての才能なのでしょうか。
私にとってサガンの作品は、手に届かない憧れでした。
Amazonでは、入手できる事がわかっても、他界したら出版されなくなる作家となってしまった事に淋しさを感じます。