今日は、久しぶりに映画館で映画を観ました。
エルビスです。
私は、世代が少しずれていますので、白いジャンプスーツを着て、ホテルで歌う晩年の印象しかありませんでした。
それでも、観ているうちに引き込まれてしまいました。
自分の歌いたい、子供の頃から親しんでいたR&Bを、政治的な理由で圧力がかけられる。表現したいものと、他人から求められるものが異なる事に葛藤を抱く、若い日のエルビス。母親の死さえも、悲しみにくれる姿を多数のカメラに撮られ、「本当は、親思いのエルビス」という戦略にされてしまうシーンは、なんて厳しい仕事だろうと思ってしまいます。
新たな段階に進みたいと思っても、そこでも金銭の問題や人との関わりで、気持ちをすり減らしてしまう。人からの称賛を渇望してしまう。本当に信じられる人が誰か、わからなくなり、孤独に苛まれてしまう。
エスビスの抱える問題は、千代子にも共感できるというのは、傲慢でしょうか。
千代子は、ピンクのキャデラックも白亜の豪邸も、勿論買えません。それでも、働く人の多くがエルビスと同じ事を悩み、生きて働く気がしてならないのです。
エルビスは、健康状態が悪化し、立ち続ける事が困難になるります。それでも、歌い続けるのです。ピアノの椅子に腰かけて。その時でさえその歌声は、艶やかな輝きがあるのです。
エルビスが浴びたスポットライトは、千代子が想像できない位、強い光だったのでしょう。そして、ライトが当たっていない時の暗さも、千代子が想像できないくらい、漆黒の闇だったのかもしれません。
生きるのは、誰にとっても困難と克服を繰り返しているのだと思ってしまいます。