1962年生まれ、かな入力千代子のお天気日記

あの、自分が還暦を過ぎた事が自覚できないのです。まだ知りたい事、知らない事が沢山ある気がします。

あやうく一生懸命生きるところだった

2020年1月発行

韓国のベストセラーとなったエッセイ。日本でも、Amazonでベストセラーとされています。

韓国も、厳しい競争社会の様です。身を削る思いをして、勉強や仕事に打ち込んでも、報われない事に、疲れを感じた著者が書いたエッセイです。

この著者は、それでも40代で、そんな生存の競争から下りる事が出来て、その体験をエッセイにしたところ、多くの人の共感を得ています。競争から下りる事の出来ない立場の人から見れば、まだ運がよかったのではと思います。

千代子がこのエッセイを読んで共感したのは、著者の説く、人生は結果ではなでく、過程だと説くいう部分です。

 

物語を見ずに結果だけで人を評価するような習慣は、いつしかブーメランのように戻ってきて自分の人生を評価する。自分の人生は失敗だと判断し、成就しなかった恋は時間のムダと決めつけ、他人との単純な比較で自分の人生が惨めに思える。

しかし、それがすべてではない。もっと正確に言うとそう見えるかもしれないが、それが全部ではないという話だ。

誰にでも目に見える以上の多くの物語がある。

 

そうなのよ。本当にそうなのよ。

例えば、千代子の人生をキャッチコピーにしてしまうと、こんな感じでしょうか。

【本人は必死に生きたつもりでも、空回りを続けた女性が語る半生】

この一行で済んでしまうかもしれません。でも、この半生を語る所に届くまでは、本人には、多くの葛藤やら困難もあったのです。

その部分は他人には見えない。見えないから、想像できない。それでも、本人の千代子まで、この葛藤や困難を乗り越えた自分を認めずに、自分より成功した人を羨んでばかりいたら、千代子は、いつ、自分を肯定できるのでしょうか。

 

電車の中で、膝を開いてうたた寝をしている、おじちゃんや、おばちゃんも、若い頃には、成就しなかった恋愛に泣いていたのかもしれません。

今の、目に見える部分だけで、そんなおじちゃんやおばちゃんを評価しないで下さいね。