1962年生まれ、かな入力千代子のお天気日記

あの、自分が還暦を過ぎた事が自覚できないのです。まだ知りたい事、知らない事が沢山ある気がします。

少し短い文章

寂しい時、悲しい時、かつて母の焼いてくれたマドレーヌの香りを思いだします。

砂糖、玉子、バニラエッセンスを加えたお菓子です。 

二口コンロの上に、小さな赤いオーブンを置いていました。

焼き上がる時間に、オーブンの取っ手を開けると、オーブンの中から、温かい、甘い、香ばしい香りが、洩れてきました。

弟と私は、歓声をあげたものです。

自分が料理を人に作る立場になりました。

あの弟と私があげた歓声は、マドレーヌを焼いた母にとっても、ご褒美だったと思います。

あの香りの懐かしさが、私の幸せでした。