映画「英国王のスピーチ」の公開は、2011年に日本では公開されました。
友人と、土曜日に観ようねと約束していました。その前日の午後、会社でこれまでに経験した事がない、強い揺れの地震を経験しました。
東日本大震災です。
会社のスチール棚の上に積んでいるものが、目の前でスライドして下に落ちるのを、何が起こったのか分からない状態で眺めていました。会社の人たちは、一斉に家族の安否を携帯で確認していました。家に帰る事が出来ない私は、バスで20分かかる駅前までの道を歩き、やっと泊まれるビジネスホテルを確保し、一泊しました。
会社は、5日間、有給の扱いで出社しない様にという連絡が入りました。友人と一緒に映画に行くのも、キャンセルしました。
それからしばらくして、私はこの映画をひとりで観に行きました。
吃音の英国の王子は、公務であるスピーチを苦手としていました。しかし、彼は、国王となります。発音の矯正のための教師もまた、舞台の俳優という夢を実現出来なかった人間です。思い通りにならない人生を抱える二人は、様々な困難と直面します。やがて、英国王のスピーチが非常に重要な意味を持つ事態に直面します。
私は、困難に立ち向かう人間の意志の力をこの映画から受け取りました。
東日本大震災で被災された方、家族を失われた方の心中をお察し申し上げます。