千代子が、筋力の衰えを初めて感じたのは、若い女性に徐々に近づいて、追い越された時です。
もう、大型客船と小型の船の様に、静かに近づいて来て、すうーっと、追い抜いて行ったのです。
千代子は、かつて「歩くのと食べるのが早い」という、微妙な特技を持っていたのです。
それなのに。
筋力が衰えて、まず5キロのお米を買いに行くのが無理と判断し、生協に加入しました。
やがて、1リットル入っている牛乳も何だか、持って帰ると一仕事したかの様な疲れを感じ始めたのです。
牛乳は、そのまま飲む事は、あまりないのですが、朝食は、ミルクティーか、ブラックのコーヒーを箱で買い、アイスのカフェオレにするので、減りが早いのです。
ついに、「牛乳、嫌だ」と寝言で言ったらしいのです。
500ミリリットルの牛乳を買うという方法もあります。しかし、どうしても、割高な気がして、買う気持ちになりません。
そこで、生協で、二週に一度、牛乳も配達してもらう事にしました。
毎週にすると、必ずその日は、在宅となるので、クネオ君も千代子も、これから先、入院やらした時に不便と思い、二週にしました。大袈裟ではなく、千代子はかつて、父が二回、入院した時、父の担当の部署の生協に電話で連絡をして、止めてもらう事をしました。
その時、高齢になると、定期購入は、あまりやらない方がいいなと思いました。
しかし、二週に一度の牛乳では足りず、やはり、仕事を終えた後、スーパーで牛乳を買っています。
食事が我が家の娯楽です。
生協で買う、ブラックのコーヒー、以前に紹介したものを再度、貼り付けます。