若い頃買った、デリア レースのリトグラフです。
休日に、ふらりと立ち寄った画廊で買いました。
子供のバレエの発表会、家族でミュージカルを見に行く。
何か、そんな風な温かいものを感じたのです。
こんな風になればいいなあという、憧れを絵にしたものを見た気持ちになりました。
二十代の頃、思い通りにならない事、理不尽な事、様々ありました。それでも、休日に部屋でこのリトグラフを眺めて、そんな気持ちをやり過ごしていました。
思い通りにならない事など、今でもあります。けれど、今は、自分のやりたい事と自分がやりたいけれど能力や才能を考えると不可能な事も、理解出来ます。
諦めるというのは、我を手放す事ではないかと最近は、思います。
そんな心境で、若い頃眺めていたこのリトグラフを再び眺めると、精一杯、虚勢をはっていた自分に、そこまでやったのだから、もういいよと言いたいです。
私の心境が変化しても、このリトグラフを眺めている時の、安らぐ気持ちは、いつまでも変わりません。